鮏 (さけ)
こしごえ

ふりしきる雨
雨してしまう
雨の
冷たい
季節
星夜

さく




影もなく
灯る
灯台の夜が
流体にひそみ
その吐息にふれれば
はち切れてしまいそうな
海原の静けさに
(記憶の底から)のびる指先で
わたしの鎖骨をひらいてくださるのならば
過ぎ去ることのない
距離を超越して
ゆらぐことのない体温を刻んでください
ならば  急ぐことなく
いっそさかのぼっていく
連鎖をもって
血の限りを
どこまでも
いつまでも
その源流で あなたは
空をあおいでいる
とめどなく








自由詩 鮏 (さけ) Copyright こしごえ 2006-11-20 13:45:52
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