脳裏痛
黒川排除 (oldsoup)
綿眺めて暮らす明くる日も明くる日も朧
不慮の隣人また白黒に配信され
キリツキリツと鳥が鳴き針だらけの天井
米量る音血の減る音が手をつたう
動力装置をちぎる人形たましい見えて
季節というより暴れ狂う蛇で帰れず
舞いそびれてそばの藪から天誅の矛
異性と田と沢を隔てるのは共食い
紳士の袖から機首ひたいにカギカッコで囲む
星よりもあかるいガス灯どこまでも穴
首に触れるアルミサッシがギロチンに見える
壁面に枯れ葉渦巻く日の帰宅
潜水地点の波紋消えゆく茶室の和み
銀の炎に囲まれ月の輪との呼応
不在の席につがいの鳥の羽重なる
長い距離を石と化しつつ廃材の馬
炉が数千度にサファリを映し塵蠢く
手袋の中身は手である落ちている
黒い大樹に満ちた古いフィルムの上映
話はそれだけ 草を刈る日が続いた