落第する大人たち
ぽえむ君
落第してゆく大人たちを
進級してゆく子どもたちが
通り過ぎてゆく
落第する大人たちは
進級することは過去にしかないと
思いながら
冷えた体で下を向いて歩いてゆく
丸まった背中が小さくなってゆく
進級する子どもたちは
落第することは未来にもないと
思いながら
熱い心で空を見上げて進んでゆく
伸びた背中が広がってゆく
互いの存在が交差する
見下ろす悲しい視線と
見上げる無垢な視線が
重なり合う
落第してゆく大人たちは
今まで忘れていた
雲を見つけ
進級してゆく子どもたちは
今まで知らなかった
石に気がつく
落第してゆく大人たちを
進級してゆく子どもたちが
通り過ぎて
離れていった