幸福な食卓
なかがわひろか

幸せです
あなたがいて
私がいて
食事をできることが

幸せです
あなたが食す物と
同じ物を
私も胃の中に
入れている

本当はそれはとても好きだけど
あなたが残すなら
私も残します

少し早めにあなたは食べるけれど
それに合わせて口を動かすのが
とても幸せです

私はあなたより
少しだけ小さいから
同じ量を食べても
消化が遅いでしょう
少しそれは歯がゆいけれど

だけど
きっと
同じ時間にまたお腹が空いて
こうやって食卓を囲むのでしょう

幸せです
この均一な秩序が

乱す者がいるならば
灰にして胡椒がわりに
使いましょう
そろそろ予備のも尽きてきたのよ

また同じ時間にお腹が空くように
何も口にしないように
ずっと見守っているから


私たちの唯一の時間
幸福の食卓を
誰にも邪魔は
させません

幸福な食卓は
毎日同じ時間に
訪れる

今夜も
明日も
ずっと
同じ時間に

(「幸福な食卓」)


自由詩 幸福な食卓 Copyright なかがわひろか 2006-11-18 02:33:35
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女歌