時計塔のラッパ吹き
相馬四弦
彼女に名前を与えられる
機械仕掛けの椅子に坐って
一刻ごとに鐘の音が
歯車に乗せられた私の幸福を砕く
踊り出たステージに
広場の石畳を鳴らす靴音のリズム
眼下を行き交う巨人達と
七色に跳ねる噴水の向こう
ひなたに残された少女が見上げていた
またいつか逢いましょう
きっとどこかで逢いましょう
世界に朝があって
あなたに夜があるなら
機械仕掛けの椅子に坐って
彼女に名前を与えられる
自由詩
時計塔のラッパ吹き
Copyright
相馬四弦
2006-11-17 10:54:18