有限者と無限
なかがわひろか

残りの生の
カウントダウンが始まった朝に
目覚めるとそこには無限がいた

大きな黒い影が
部屋を重い色にしたけれど
今の私にはそんなことはどうでもよかった

ただ側に誰かいて欲しいときに
そこには
無限がいただけのこと
そこには無限が
存在しただけのこと

何かを問おうとしたけれど
残り時間が短くなった私は
どんな疑問も感じなくなっていた

全てを受け入れる
ただそこに
ただここにある物を
受け入れる

有限なる私の生と
永遠なる無限が
出会った

ただそれだけのこと

(「有限者と無限」)


自由詩 有限者と無限 Copyright なかがわひろか 2006-11-17 01:25:39
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無限通り