光りの届く場所へ
山崎 風雅


 ここは北窓で
 日の光は入らない
 
 暗闇で飼い猫のニンが目を光らせて泣いている
 腹が減ったのか?
 お前はよく食うな

 今の天気はどうだろう?
 一日中暗い部屋では天気が分からない
 
 それでも慣れた
 ここの暮しも悪くない
 向いのお爺さんはいつも天気の話をして
 趣味で撮った写真を披露してくれる

 上の階に住んでる中国人は
 土曜日になると酒に誘ってくれる

 角のタバコ屋のおばさんは
 気の利いた洒落で心をほぐしてくれる

 なによりも君がこの街に引っ越してくれた
 
 さぁ行こう
 光りの届く場所へ



自由詩 光りの届く場所へ Copyright 山崎 風雅 2006-11-15 02:25:21
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