創書日和「第九交響曲第九楽章・白」
虹村 凌
真っ白いグランドピアノの上で
カジノで稼いだコインをばら撒いて
捩れるように踊る
東京タワーの天辺から
吐瀉物を撒き散らすように
キラキラと言葉を撒いて
そこらじゅうに
栗の花が咲けばいいと思ってる
猫との間に栗の花は咲くのだろうか?
その歯から最早矯正は消えてなくなり、
煙草で黄色く汚れた歯が
幽かな共通点をもたらす
真っ白いグランドピアノの上で
カジノで稼いだコインをばら撒いて
ツナギを着た猫と
スーツを着た猫が戯れる
まるで絵の具のように
解けて混ざり合って
最後には色を無くすように
混ざり合う
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創書日和、過去。