日だまり
なかがわひろか

日だまりの中に飛び込む
パシャンと光が飛び散る
明日やあの人の背中へと
破片が突き刺さって行く

昨日たくさん照りつけた
残り日がまだほのかに香る
ママが干してくれた布団のような
できたての揚げ物みたいな匂いに
くしゅんとくしゃみ

その中に写った自分は
どんな顔をしていたかなあ
目を細めずにちゃんと
直視することができてたかなあ

日だまりの中に飛び込む
影がびっくりしたように
一瞬ひっこむ
大地に辿り着いて
足の裏から順に
後ろにまた伸びていく

(「日だまり」)


自由詩 日だまり Copyright なかがわひろか 2006-11-14 01:28:33
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