潰しイチゴの練乳和え
atsuchan69

   一

 さあ、食べるんだ )))

黒いベルベットの目隠しが
 君の自由を、覆い
与える匙の 潰しイチゴ。
 ――甘いだろ?
 海のように ただ果てしなく拡がる、
 波打つ絹のシーツに零す (拒絶と救い

やがて唇を窄ませて
咽喉をすぎてゆく 緩やかな従順


   二

 たった一匙のデーザートに
 君も僕も 無常の歓びを覚える
 ハウス栽培の女峰苺と
             練乳」
 
 切刻まれた、
 ブラインド越しに漏れる 冬のひかり

一秒、また一秒と
 短針の
     鞭のように叩く 音


   三

 さあ、生きるんだ )))
 プレイしよう、
 「もっと淫らに!

目隠しをはずそう、
その格好のまま 外へ出ろ
メイド服と首の革紐のまま
ショッピングモールで
缶詰の【練乳】を買い占めよう

ビニールプールに練乳を満たせ
これは命令だ、早く 早く
何をやっている?
ウェンガー(ソルジャーナイフ)を使え

 たった今、
埼玉から軽トラが到着した
ブルーシートを外せば 荷台いっぱい
――女峰苺。スコップでプールに
「入れろ、やさしく沢山。もっと愛をこめて

高いヒールのお水パンプスで
踏み潰せ! 苺だよ、苺。
ぐちゅぐちゅに、「こら!
プールのなかで遊ぶな、その手は何?
あひるちゃん・・・・どこに隠し持っていたんだ


   四

さて、お集まりの皆さん
完成です。
「それではお口を
 大きく開けてください
 ――あーん
シャベルで掬え!
「頬いっぱいに詰め込むぞ、潰しイチゴ。
――甘酸っぱいだろ?
感じるか? みんな )))

隠れヘンタイの大人ども!


自由詩 潰しイチゴの練乳和え Copyright atsuchan69 2006-11-13 20:28:51
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