「 あたしのあだしのくん、二。 」
PULL.







あたしとあだしのくんは、
大恋愛の末に結ばれた。

はじめて、
あだしのくんに告白されたとき、
あたしは別の人と付き合っていた。

一年後、
またあだしのくんに告白された。
あたしはまだ別の人と付き合っていた。

もう一年後、
あだしのくんには付き合っている人がいた。
あたしはあだしのくんを奪いに行った。

はじめて告白されたときから、
ずっとそうしたかった。
だけどできなかった。
あたしとあだしのくんは、
あまりにも違いすぎたから。

あたしのまわりも、
あだしのくんのまわりも、
みんな反対したけれど、
もうどうにもならなかった。

あたしとあだしのくんは、
出逢ってしまったのだ。

それからずっと一緒にいる。
あたしはあだしのくんのあたしで、
あだしのくんはあたしのあだしのくんだ。

あたしとあだしのくんは、
そんなふたりだ。












           了。



自由詩 「 あたしのあだしのくん、二。 」 Copyright PULL. 2006-11-13 06:55:31
notebook Home 戻る