それだけでいい
山崎 風雅

 季節は移ろい
 人は漂い
 時代は叫ぶ

 飛んでくる火の粉を払っているうちに
 どんどん歳をとっていって
 気がつけば猫2匹飼う独りの部屋

 流れるままに
 そう
 流れるままに
 どこかに辿りつくだろう

 景色を追いかけても
 愛する人を追いかけても
 届かないこともあるんだ

 長い一人旅をしていて
 眠り姫のように
 王子様が訪れてくれるのを
 待つのも人生の知恵だと気付いた

 果報は寝て待てとも言うじゃないか

 そんなに焦らないで
 僕達も自然の一部

 神様がいるかどうかは知らないけれど

 1歩づつしか歩けない定めなんだよ

 辛い氷のような人生も春になるまで待てばいい
 

 冬には暖炉を灯せばいい
  
 
 それだけでいい
 よく寝よう




自由詩 それだけでいい Copyright 山崎 風雅 2006-11-12 23:14:18
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