真夜中遊戯
未有花

月明かりに揺れる影を追いかけて
僕は真夜中を走り抜ける
君の姿は見えないけれど
きっといつかつかまえてみせるよ

みんなが寝静まった真夜中
僕たちは追いかけっこをする
君はうまい具合に影にかくれて
僕はまだつかまえることができないでいる
君の気配を感じることができるのに
つかまえようとするとすっと逃げてしまう

だけど僕にはわかるんだ
君がどこへ行こうとしてるのか
君がどこにかくれていても
きっとつかまえてみせるから

君の影が扉の向こうで揺れている
ほら つかまえた
誰もいない部屋に僕の声がこだまする
たぶんまた逃げられた
今度こそつかまえられると思ったのに
君のせせら笑う声が聞こえるようだ

永遠に続く真夜中遊戯
それが終わりのないゲームだとしても
きっといつか君をつかまえてみせるよ

姿の見えない君を追いかけて
僕は真夜中を走り抜ける
暗闇に響く足音に
いつか追いつけると信じて


自由詩 真夜中遊戯 Copyright 未有花 2006-11-10 11:08:41
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