赤赤黒黒
たたたろろろろ




  陽が暮れてゆく。なけなしの光を。太陽は俺たちに
  平等に。鐘の音はすべての者たちをやさしく包み込
  む。紫外線は等しく我らを刺すのだ。「日焼けサロ
  ンへ行く前に体にマーガリン塗っとけYO!バターじ
  ゃちょっと重すぎるYeah!!」なにが身体にいいと
  か悪いとかではないのだ。そういうことではないの
  だ。


彼は指先から火をつけて。マッチの匂い。
太陽とともに燃えてゆきたい。
「夕陽と僕は同じ赤。溶けゆくように美しく」




  「余裕のなさをひけらかせ!(前途多難を笑ってや
  れ!」「とにかく未来へバックせよ!(とにかく過
  去をバックれよ!」「言いたいことなどもうないか
  もです(いい加減もう脳内火事です」笑顔で意味の
  不明瞭な言葉を撒き散らしながら去ってゆく人々。
  人々よ。星たちがあんなに近い。宇宙に手が届く。
  向かいのパチンコ店が銀河系。「出ます出します出
  させます!!」ああ、人々よ。


彼は端から焦げてゆき。終わりの匂い。
世界とともにここに在りたい。
「世界と僕は同じ黒。すべてを悲しく包み込む」




自由詩 赤赤黒黒 Copyright たたたろろろろ 2006-11-09 22:08:36
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
四文字熟語