Stabat Mater
たもつ


開け放たれた音楽室の窓から
合唱部員たちの歌声が聞こえる
放課後、行き場の無い僕らは
校庭の隅にある鉄棒に片足をかけたままぶら下がり
いっせいの、で誰が好きかうちあけると
やはり同じ子が好きで
その後に交わした言葉は
誓いのようなものだったかもしれない
金属音は歌声をかき消し
空の低いところを大きな輸送機がその腹を見せ
争いのある国へと飛んでいく
僕らは意味もわからないまま
ギブ ミー ア チョコレート
そう何度も言いながら
このまま何も変わらないのだ
と確信した






自由詩 Stabat Mater Copyright たもつ 2004-03-23 12:48:52
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