トワイライト
LEO

すこし遠回りな帰り道
緩やかにカーブしたその先は
西の方へとまっすぐ伸び
私の歩みを止めるには
充分な光景でした
いま少しで
山際に架かろうとする陽の
最後まで惜しみなく射す光は
山茶花の花びらの色を
よりいっそう際立たせています

枝にある花は
わずかに輝きを放ち
まるで紅潮した肌色で
散り終えた花は
もの言わぬ唇の
色とも見てとれ
今に限っては
枝の花はもちろんのこと
落ちた花びらまでもが
美しく思えるほどでした

目に映した山茶花に
名の無い女の人を描き
 それは
 貴女であり
 見知らぬ女であり
夕日のせいばかりでなく
私の頬も紅く染まります

沈みゆく陽と
結ばれるように
山茶花は紅い帯となり
濃紺の空の方へと伸びた私の
影もまた
それらと繋がって
すべては
ただひとつの夜に
溶け合うことを願うのでした



自由詩 トワイライト Copyright LEO 2006-11-08 00:42:03
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