赦すと言うこと
恋月 ぴの

心が抜けてしぼんでしまった
わたしの身体に
あなたの息を吹き込んで
ちょっとあたたかな
ちょっと煙草臭いあなたの息を
自分までもが赦せなくなった
あの日から
わたしはわたしじゃ無くなって
ふと気付いたときには
わたしの心は何処かへ隠れてしまったよ
そんなわたしの身体に
そっと息を吹き込んで欲しい
優しく抱きしめて唇添えて
まるで紙風船でも膨らますように
わたしの身体に息を吹き込んで欲しい
冷え切ったわたしの身体を
あなたの息であたためて
(こんな夜だから
ぽんぽんぽん
あなたのてのひらの上で弾む
膨らみだしたわたしの身体
(かくれんぼは飽きたでしょ?
自分自身を赦せれば
他の誰かを赦せるようになる
自分自身を好きになれれば
他の誰かを好きになれる
(もう出ておいで
ぽんぽんぽん
あなたのてのひらの上から離れても
あなたの息を感じているよ
(おや戻ってきたのかな
ぽんぽんぽん
ありがとう
そして、こんにちは



自由詩 赦すと言うこと Copyright 恋月 ぴの 2006-11-07 23:06:34
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優しさを忘れないように