絶え間ない体
A道化






つ…
つ…


湿潤を終えた葉の首の付け根を冷気が断ち切れば
涸れた維管束の行く先が、風とされる
そしてその葉の薄い鋭い赤い輪郭が今度は
冷気を切ってゆく
ああ、切り合う、あなたがた
可笑しいな
赤くなりがちなあなたがたに紛れているようで
わたしという体の、ここにあるという感覚がじんじん痛い
衣服に包み隠された体もまた
誰かに施された、切り傷
赤くなりがちで、悦びがちな切り傷であるのに
そう、マフラーを外しこの切り傷の行く先もまた風として
つ…
つ…
行く先を風と、風と、風と、しようとするのに
可笑しいな
なのに、一層
体の、ここにあるという感覚がじんじん痛く
赤くなりがちで、悦びがちな
体は、絶え間なく、体は体で
ここはここで


つ…
つ…
ああ、絶え間なく可笑しいな



2006.11.7.


自由詩 絶え間ない体 Copyright A道化 2006-11-07 15:52:28
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