言葉をもったサルたち
ぽえむ君

ある日突然
サルたちは言葉をもった

それは悲鳴から
あるいは喜びから
それとも恐怖から
悲しみからだったかもしれない

言葉はものすごい勢いで
増えてっいた
感情を細かい部分まで
他のサルに理解も認識も
同情も共鳴もできるようになった

またある日突然
サルたちは文字をもった

それは記録から
あるいは記憶から
それとも欲望から
支配からだったかもしれない

文字はものすごい勢いで
増えていった
感性を長い期間まで
他のサルに過去も現在も
未来も宇宙も通じ合うようになった

しかし
いつしかサルたちは
文字をもてなくなった
文字を書くのではなく
文字を表示するようになった
文字をもつサルから
文字をもたされるサルへと
変わっていった

いつしかサルたちは
言葉をもてなくなった
自分のことですら
言葉をもつことができなくなった
言葉をもつサルから
言葉をもたされるサルへと
変わっていった

言葉をもったサルたちは
ある日突然
言葉をもたされた


自由詩 言葉をもったサルたち Copyright ぽえむ君 2006-11-05 22:23:59
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