今日も電車は走っている
ぽえむ君

マンションからいつも見える
走り過ぎてゆく電車の姿
特急列車のような
決してかっこいいボディではないけれど
いつも決まった時間に
道路の上を
右から左へあるいは逆に走ってゆく

マンションからいつも聞こえる
走り過ぎてゆく電車の音
決して大人しいサウンドではないけれど
いつも決まった時間に
街の中を
右から左へあるいは逆に流れてゆく

いつも決まった時間に
いつも決まった姿と音が
横切ってゆく
一分すらずれていない

当たり前であると誰もが想う
そして
定刻通りに走るのが自然であると
大切さを忘れている

もしも決まった時間に
もしも決まった姿と音が
横切らなかったら
一分だけずれていたら

異常であると誰もが気づく
そして
定刻通りに走るのが偉大であると
忘れていた大切さを取り戻す

今日も電車は走っている
決まった時間に
決まった姿と音が
走っている


自由詩 今日も電車は走っている Copyright ぽえむ君 2006-11-04 22:32:14
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