くそったれカメラ

ピースチーズフォンデュ


おまえがやっとそれ無しで寝れるようになった
おまえのお気に入りのタオルケットは
おまえのアルバムと一緒に
大事にしまっておきます



おまえは
僕の睡眠時間がどれくらい
あのタオルケットに吸い込まれていったか
きっと忘れるのでしょう

あれなしでは寝れないと
夜中に何度家まで車を走らせたことでしょう

おまえのよだれと
僕の睡眠時間を
たっぷりと吸い込んだタオルケットは
おまえのアルバムと一緒に
大事にしまっておきます




ピースチーズフォンデュ



大切なものを
しっかりと握り締めることを
おまえは覚えたのですから



次はカメラに向かって笑うことを


レンズの向こうにいる
未来のおまえに
ちょっと無理してもいい
ちょっとでも幸せならば
笑いかけることを



タオルケットと一緒に
大事にしまわれている
アルバムを
おまえの笑顔で
いっぱいにしよう


未来のおまえが
笑顔をなくしたときに
アルバムのいろいろな場所で
やさしさを拾えるように

アルバムはきっと
笑顔のちょきん箱なのだから



さあ

おまえがずっと笑って生きていけるように


四年前の春
分割で買ったカメラにむかって


笑って


おまえが笑って生きていられるなら
それでいいのです


正しくなくてもいい
かっこ悪くてもいい
弱くてもいい
逃げればいい
茄子がこの世から消えてもいい
椎茸も食わなくたっていい
貧乏でもいい
別に金持ちでもいい
やさしくなくてもいい
歌が下手でもお絵かきが下手でもいい

もう世界がロコモコ丼みたいに
ぐちゃぐちゃだったっていい





おまえが笑って生きてさえいれば

それでいい





ピースチーズフォンデュ





おまえがずっと笑って生きてさえいれば
タオルケットもアルバムも
この詩だって
クソくらえなんだ




自由詩 くそったれカメラ Copyright  2006-11-04 18:34:06
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