ケツコン
十
くだらない誓いをした日からか
それよりもうちょっと前からか
僕はもう一人ではなにもできません
今まで一人でできてたことが
二人じゃないとできないようになって
とても情けないです
男が廃ります
あの一生あなたを愛しますという
あの誓い
やっぱり後悔しています
浮かれてたというか
溺れてたというか
あのときの僕
いや
あほかと思いました
自分の時間や
空間や
お金は
やっぱり減るし
テレビのチャンネルさえも
自由にならない
一人でやってきたことが
この二つの手で
やってきたことが
今ではいくつもの
手が
いくつもの
想いが
なんだか非生産的で
僕は
いや
あほかと思いましたよ
このまま
一生このままいける自信なんて
これっぽっちもないんです
でも
それでもなお
僕は
今夜もまた布団のなかで
眠った君の手を握って
明日もまた一緒にいてくれと
思うのです
このまま一生
君を愛せる自信なんて
これっぽっちもないけれど
毎晩眠りにつくまえに
車が空を飛ぶ時代まで
この気持ちが続けばいいと
思っているのです
いくつもの手が
いつまでも
微笑ましく
ありますように
と