昇龍
みもる

肺ガンでじいちゃんが灰になった

田舎のきれいな緑の世界に
黒の群集が蝕む

晴天がこれほど
嫌なものだとは

長い煙突から天に煙

じいちゃん
太陽もその最後の力で
灰色にしてくれないか

結論からいうと
やっぱりじいちゃんのことは好きだった

僕もたばこに火をつけて
今さらながらの親孝行

それでも太陽は
光り続けていて

僕のか細い煙は
何か力になれただろうか

じいちゃん


自由詩 昇龍 Copyright みもる 2006-11-01 01:05:27
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