終焉の間、僕を住ませてください
はらだまさる

蛍光塗料で
発電したような、
剥き出しのエポック

僕は感動して
いやらしくニヤけていた
ここが先端

ひき裂かれ
乖離した阿吽が
子作りをしていた

終焉の人々は
自由に蹂躙され
機械を興奮させてる

滑稽に縺れ合い
単調に深く
葉脈を交通し補足するように

精製する以前の
空気を吸い込んで
蒸留する以前の海に

世界でもっとも美しい
溺れかたでゆっくり
沈んでゆく

一週間あれば
二度と忘れることは
出来ないだろう

言語学者もリンゴ農家も
風俗嬢も靴磨きの少年も
水浴びする牛も

一週間あれば
悠久の夢をみて
何かを愛せるだろう

終焉の間、
僕を住ませてください
洞窟壁画を涙に分散させて

終焉の間、
僕を住ませてください
言葉が埋め込まれた音声の中で

終焉の間、
僕を住ませてください
この矮小な世界を創り得ないように

今こそ心からそれらを
敬い、畏れ、感謝し
そして、願います

終焉の間、
僕を住ませてください
はじまりに唾など吐かぬように




自由詩 終焉の間、僕を住ませてください Copyright はらだまさる 2006-10-30 17:09:08
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