僕を起こしたのは
水町綜助

走るスピードを刻むように
街の広葉樹に遮られ明滅する
青と黄色ときみどりの
太陽の光を
めちゃくちゃに掻き回して
そいつをたっぷり指にとって
瞳をぬりつぶそう
たちまち涙が溢れだして
僕も
君も
体の痛みを忘れるだろう
だから
冷めきった体を
シートに横たえて
さあ好きなものを並べよう
数えるみたいに
バナナと青空
バイクとミルク
チョコレート
それに代わるもの
それに交わるetc.
君はどう?
山の麓の町
小麦畑と猫
ささくれと僕の余分
ハローグッドバイ
ハロー!
ばいばい

丘の上から下るんだ
曲がりくねった道を
うまくブレーキを使って
吹き流れる風には
君のにおいが沢山付いている
耳に風鳴り
遠くへ遠くへ
いつか僕の髪の毛から君のにおいがすべて飛んで
そしてすべての
君が触れた僕の髪が生え代わったら
それに気づいて僕はなんという言葉を口にするだろう

調子っ外れの歯笛

僕は自分に幻滅して瞼をとじる
色を塗りたくった瞳は黒のみを映し
僕は眠ることになるけど
それはほんの少しの間だよ
窓がたたかれ
僕は目を覚ます
川沿いの路上
五月の空気

僕を起こしたのは



自由詩 僕を起こしたのは Copyright 水町綜助 2006-10-29 12:12:06
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