鬻ぐ女
ミゼット
鬻ぐ女
貰った鞄は質に入れ
貰った熱はすぐ冷える
縫い取り縫い取り
骨を探し呼吸を刻んでゆく
日が落ちたら
そうね今から
初めて出会うあなたの側で
あたたかいかなしみに埋もれるの、
明日も、明日も、明日も、
わたしには何も無い。
欲しいのはたった一つ
明日の食事
引きずるように起き上がる
頭の中で女が笑う
服を着て食事を探しにゆく
(それから駅のトイレに逃げて、魔法の呪文を唱えたわ)
(ピャーチ、シャスチ、スェーミでみんな忘れる)
何も無い空っぽの穴が、深く腹に開いている。
自由詩
鬻ぐ女
Copyright
ミゼット
2006-10-27 23:14:21
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