雨の庭
佩慈の工人

 積んだ石が流されてきた庭を掘って、埋めたいものが見当たらない。怖い色があった夜。あれもこれも気の済まない形ばかりの空に、囲まれていた。しゃがみこんだ足の下に押さえ付けた砂利の尖り。たくさん作った傷の跡も浮き上がらない、だぶついた腕が残る。振り上げたいものもない、ひび割れた木の肌をはがしても、痛くはないんだ。手ごたえのある空を叩いて、埋めてあげるのに。届かないものがある枝先に、なびいている骨の音は、あの夜抜いた喉かもしれない。


自由詩 雨の庭 Copyright 佩慈の工人 2006-10-26 10:31:03
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