現存
奥津 強

現存する 物がある
爽やかな 秋風は
俯き加減に 私を
現存させ
凍らせる
誰もが 現存しているのに
私は まるで 夏の
疎ましい なめくじのように
現存している

やけに 大掛かりな 地球じゃないか
申し出てから 100年後
私は 現存している
宇宙にも 秋風は 吹く
誰もが 肯定するべきならば
私は 秋風の 患者である
現存の 最古は 愚かである

私は 今年も 生きていくのであろう
希望に 燃えて!
全ての 罪悪や 感傷を捨てて
愚かに まるで 白痴のように
があがあわめき 涎を流しながら
あの 旭日を 見て
秋風の中で 現存するのだろう


自由詩 現存 Copyright 奥津 強 2006-10-25 07:55:57
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