開門
あおば

ギャーと言えば
ギャー

ギャーと言え
ギャー

ギャーギャー

うるさい蛙の声に
おい、黙れと
太い声がして
石が飛んできた
頭をかすめて
向こう側にすっ飛んでゆく
音速のような
大きな音

ギー

怒るな
静まれ
各方は
覚悟召されよ
石造りの男の子が
報復の
長刀を払う
右の腕を切り落とす
反転した刃が
左手も奪い取る
ボチャンという音がして
水面を
鬼が逃げていく
血潮が後を追って
従っていくから
息倒れるを
ゆるゆると
待てばよい

ギギキ
開門の声に
目を覚ます

秋の風が
夜を告げた



自由詩 開門 Copyright あおば 2006-10-23 22:34:30
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