「 月 日の日記」
佐々木月奈



風が吹いたら草が笑った
草が笑って悲しくなった
今日来た手紙の文字がぼやけて見えたのは
視力が下がったからではないはずであった。

涙だ。

紛れもない、涙だ。


涙は乾き、元に
戻るのです
自分はただ、月を退かした平和な朝だけを乞うのです。


あの娘がくれた四角いキャラメルが
いつかアジアの地上で溶けてしまうことを
あの娘は知って居たのでしょう

あの日見ていたのは
まぎれもない
笑顔だったでしょう

あの日僕にくれたのは
まぎれもない
愛だった


青い空をこんなにも憎いと思ったのは
生まれてこのかた

初めてです。


自由詩 「 月 日の日記」 Copyright 佐々木月奈 2006-10-23 20:59:27
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