駆けていく猫
杉菜 晃

 

真夜中にサイレンが鳴つて

窓から顔を出すと

猫が凍つた路上を

駆けて行つたよ


弾丸のやうに丸まつて

火事場へと

一直線に


猫は寝てゐる人を

起こしに行つたのだらうか

それとも

火にあたりに行つたのだらうか



  


自由詩 駆けていく猫 Copyright 杉菜 晃 2006-10-21 21:18:50
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