図工
たもつ
君が糸電話を作っていた
夕暮れまで
まだ時間があるというのに
いったい誰にかけたかったのか
小学校の図工の時間のように
器用な指先で紙コップの底を切り取り
セロハンを貼っている
糸をなくしてしまったと言うので
二人で買いに出かける
ついでに食材も少し買った
手をつなぐと
体温という言葉が
あって良かったと思う
たぶん糸電話は
僕が壊すことになるんだろう
ごみ箱には
君が捨てるんだろう
自由詩
図工
Copyright
たもつ
2006-10-21 19:56:23
縦