道 
服部 剛

目の前をみつめると 
十字架は橋となり 
わたしの明日へと架かっていた

振り返ると 
両腕を広げたまま 
横たわる人の体の上を 
気づかぬうちに踏みながら 
産声を上げた日から今日まで歩いて来た 

( 不思議な風に 背中を押され ) 

夜になるとわたしは 
投げ出された世界の闇で 
独りふるえる羊になる 

雲間から顔を出す月 
夜風に踊るすすきの群 
淡い光が世界を照らすと 

ふたたび 道はあらわれる 





自由詩 道  Copyright 服部 剛 2006-10-18 17:56:31
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