冬の物理学
A道化



どれほど 
雲の束縛を破り 雲間から降り立つも
乾いたグラウンドに
冷え切った夕刻に
結局は 卒倒しがちな冬の光線です


そこにあるのは
どこにも尾を引かぬ手の平
だからこそ 私 欲しいみたいで
触れるだけで通じ合ったり
触れずとも通じ合ったりしながら
物理学を せせら笑い
それでいて尾を引かぬ手の平ばかり
ああ 尾を引かぬ身体と身体 そればかり
だからこそ 欲しいみたいで


物理学をせせら笑い それでいて
乾いたグラウンドに ひとつひとつの
冷え切った夕刻に ひとつとひとつの
結局は 重力に屈しがちな身体と身体です



2004.3.4.


自由詩 冬の物理学 Copyright A道化 2004-03-18 01:59:00
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