頭に弾いた木の実について
杉菜 晃




それは自然のなせる業にはちがひないが

梢からまつすぐ

命中するやうに頭に降つてきた木の実

重たく硬い木の実


何か不当な打擲を受けたやうで

穏やかではなかつたが

しばらく経つうちに 木の実の重さ 硬さ

丸さが懐かしく頭に甦つてきた


木の実よ 

おまへは何が言ひたかつた?



          


自由詩 頭に弾いた木の実について Copyright 杉菜 晃 2006-10-14 09:59:16
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