蒼穹
未有花
空に想いは寄せる
いつの日もいつの日もみつめた
あの青さだけが私の願いなのだ
天鵞絨
(
ビロード
)
のような雲の浮かぶ
平和で満ちあふれたあの空へ私の心は向かうけれど
我が蒼穹よ 私は嘆く
あの澄んだ汚れなき心はどこへ行ったか
地上はすでに不浄である
この汚れきった大地から見上げた空も
もはやあの頃の青さはない
私は想う はるか遠い彼方を
どこまでも続いているであろうあの
高処
(
たかみ
)
を
空よ 私の心の汚れなきものよ
いつの日もいつの日もみつめた
あの青さだけが私の願いなのだ
自由詩
蒼穹
Copyright
未有花
2006-10-11 11:18:24
縦