Let it be
古河 セリ

異国の風が海原を越えて
俺に吸い込まれ膨張する

暁の光が屈強な雨雲にさえぎられ
細やかな雨が、露とざす街へ静かにささやいて

永遠を 
嵐のような

俺の歌は空に拡がる 
届かぬ願い抱えた少年の眼差しが訴えてくる

ただ一本の視線を
心の中の闇の海へ置いて

埋マラナイ、ココニハ何モナイヨ、
ママヲカエシテ、生キタイヨ 

少年よ

乳房よりも偉大な
神様よりも偉大な
唯一無比の存在を証明しなよ

俺ははいるから
闇女も連れて生きなよ

河底に横たわる影姫を知ってるかい
南へ南へ流れて漂って
そして水鳥の群れをいつも抱きしめている
そんな強くて優しい、お姫様さ

一緒に鑑賞しに行こうか
視線の上に、俺と同じ空と海が広がっているよ


自由詩 Let it be Copyright 古河 セリ 2006-10-08 21:01:00
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