むこうずね
しゃしゃり

空のむこうがわで
むこうずねが痛がったら
ぼくはがまんする
いつもがまんする
泣きたくてもがまんする

すると空のこちらがわで
むこうずねが音叉のように響き
ぼくは涙する
いつも涙する
泣きたいから涙する

細いぼくの体を
細い道路標識の柱のように
支えてくれるぼくの
むこうずね

あちらにあるわけでもないのに
むこうずねなんて呼ばれてしまう
弁慶だって涙した
痛がるためにあるような
こころぼそさよ
ぼくの
せつないむこうずね





自由詩 むこうずね Copyright しゃしゃり 2006-10-06 21:42:02
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