川面思考
深月アヤ

川面に跳ねる無数の虫たち

深い底の
引力に抗って

跳び続けなければ
直ちに飲み込まれ

消える

嵐の夜の虫たちは魚となり
晴れた日には姿を隠す

掬うのは
網ではなく 瞳

ほんの一瞬目を離しただけで

非日常から日常へ


五感が肩に乗った時
それは途切れ

虫も魚も空からの回帰と知る


底に 沈む時がやって来る 


自由詩 川面思考 Copyright 深月アヤ 2006-10-05 17:01:11
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