パイナップルの空き缶
水町綜助

ブルーとピンク

アルミニウム缶に映りこむ

開け放たれた窓際

置かれた甘いパイナップルの缶詰

遠く町のさわぎが耳元を波立たせる

アスファルトとタイヤの関係

微笑む路地裏飲み込まれるひとたち

金の音

町を流れる瞳の色

遠くに

僕はいま薄く目蓋を閉じ息を潜めている

この空に近いアパートの二階の一部屋に

さわぎの首謀者から逃れるために

ひとたび見つかれば

僕はロンドン兵の衣装を着せられ

あの縦長の帽子を頭にのっけられ

ちいさなタイコを渡される

馬鹿馬鹿しくてやってられないよ

撥の持ち方もしらないさ

リズムを外して

仲間はずれになるのはまっぴらだ

だから僕はこうして

最初から隠れてるんだよ

御用の方はお手紙を



自由詩 パイナップルの空き缶 Copyright 水町綜助 2006-10-02 22:04:14
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