alpha 104号室〜ハードル〜
コトリ
とどのつまりね、
ハードルの高さの問題なんだよ
君はいまでも男の子に
たいそうもてるのかもしれないけれど
いい気になってはいけない
それは君の魅力云々ではなく
要はどれだけちいさな努力でやれそうかってことだ
いや、軽いって意味じゃない
男の努力が皆無じゃだめなんだ
だれでもいいってわけじゃない
高すぎも低すぎもしないハードル
多少のじれったさを経てえられる喜び
わかるかな
君はその最大公約数みたいなもので
それは一種の才能だけれど
それだけだ
それだけだ
おれだってそうさ
君が涙いっぱいためてもたれかかってくるたびに
根気よく恋愛相談に付き合ってやりながら
いつも、いつだって
いつだって
押し倒してやろうとおもっていたんだ
のこのこ部屋まで付いて来て
ただで帰られるとでも思ったか
所詮は
君をとりまく愛情なんて
みんなそんなものなんだ
がっかりしろよ
泣けばいい
怒ればいいさ
いつもの涙目で
平手打ちでも喰らわせろ
君を失うことなんて
いまさらなにもこわくない
所詮
君はハードル
君はハードル
10年間も超えられなかった
初恋のひと
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