洗礼
RAVE

豪雨の中

傘を持った私がいる


まるで鉛を
持たされたように



内側まで濡れた傘

アスファルトに削られる天辺


落下する雨粒

白ぼける視界

染み込む雨粒

滞る現実



傘を開かないのは
きっと

さっきまでの自分を死なせたいからだろう




溝に溢れる濁った水が

私から出て行った毒素であってほしいと
願った


自由詩 洗礼 Copyright RAVE 2006-09-30 00:00:20
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