(百九十九番目の詩)
恋月 ぴの

僕は生きている
その事自体が罪なのか
道造は二十四歳で逝った
中也は三十歳で逝った
祐三も同い歳で逝ってしまったよ
だのに
僕は未だに生きている
罪の上塗り
恥の掻き捨て
僕が愛し損ねた総ての女達よ
やあやあ、元気でやっているかぁい?
なんて
無責任さで僕は
ここまで生きてきた
実家近くの畦道で
僕の切り出した離婚話に
癒えぬ心で俯いた
僕の別れた妻よ
今も君の事を忘れはしない
ああ、なんてメランコリックな人生!
永遠を契りし愛よ何処へ
ポエジーなんて
糞喰らえ!
せめてレオナール翁のように
礼拝堂の信徒達に紛れ
信心深く神に祈ろう
こいつが僕の人生だから
汚れちまった悲しみよ
さびしき野辺で夢見たものは
パリーの街行く
孤独なアルルカン
やあやあ、元気でやっているかぁい?



自由詩 (百九十九番目の詩) Copyright 恋月 ぴの 2006-09-29 22:40:06
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