『』
しろいぬ


刻の針を手折って

真っ暗な夜に祈った

振り切れた僕達は

唇を塞ぎ合って祈った


壊れた針がすっ、と尾を引いて

宵を流れていく


叶うならばひとつだけ

叶うならばひとつだけ

叶うならばひとつだけ


縋るように目を閉じて

瞼の裏に焼き付いた君を想った

たったひとつの 願い事を抱いて想った


自由詩 『』 Copyright しろいぬ 2006-09-28 22:06:19
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