肌寒い格好で出てきてしまったこと
nm6

たとえば悔いることも
不意に 喜ぶことも
時とともに 偶然にとけてゆきます


午後4時半
Tシャツの上に羽織るこのニットを
褒められたのは 初めてです
それはなんて 心躍るできごとでしょう
肌寒い格好で出てきてしまったことは


いても たっても
ここから 飛び出してしまうかもしれません
目黒通り沿いの交通案内の電光掲示板には
「夕暮れ時 事故多発」と さらりと書かれていたので


隅っこがぐるぐる反芻する春先の
ぼくらは 遅めの昼食を買いにゆく道すがら
子供のころのおぼろげな記憶の めくるめく誤解を頼りに
足手まといについてくる 遠くにかかる綿飴は雲です


自由詩 肌寒い格好で出てきてしまったこと Copyright nm6 2004-03-14 00:34:54
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