*なかったはずの*
かおる
勇気は境界線の狭間で
いつだって萎れていくだけで
零れ落ちてしまいそうな気持ちに
ぴったりと蓋をして
伝えなかった一言
感情の起伏のような山並みを
ゆっくりと雲が隠していく
嘘つきな唇が重ねる現実と
くすんでいく緑
笑顔の仮面
夏を諦めた空も泣いている
自由詩
*なかったはずの*
Copyright
かおる
2006-09-27 09:27:15