紅葉の玉
ぽえむ君

秋を彩る木々の中
野鳥の声の閑けさに
癒す心に色染めて
見上げる空に空はなく
紅葉の玉の中にいる

聞こえる音は微かのみ
落ちる紅葉がはらはらと
なびく梢がゆらゆらと
分け行く道に道はなく
紅葉の玉の中にいる

踏みゆく足の葉の音が
一音ずつに深くなり
厚さ重なるその音に
つまづく石に石はなく
紅葉の玉の中にいる

耳を澄ませば水の音が
一音ずつに近くなり
紅葉重なるその音に
流れる風に風はなく
紅葉の玉の中にいる


自由詩 紅葉の玉 Copyright ぽえむ君 2006-09-26 14:17:40
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