秋は静かに降り積もる
Lucy.M.千鶴

ひとり きりの キッチン

包丁の 手を止めて

ふと

顔を あげた 窓の外

枯れ葉が 一枚

はら はら と 落ちてゆく


まだ 半袖のわたしは

深まり行く 秋を知り

ひとり きりの 孤独を

なおさら 深く 知り

深夜に ならないと 帰ってこない

あなたの 存在の 大きさを

あらためて 知り


季節に よって

教えられることが

たし算に ふえてゆく


秋は静かに降り積もる


だけども

重なった 枯れ葉の上に

横たわったときの

やわらかさと

あたたかさを


ずうっと 前から

わたしは 知っている

誰よりも 知っている


この 躰が おぼえてる。




自由詩 秋は静かに降り積もる Copyright Lucy.M.千鶴 2006-09-23 15:09:01
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