空っぽのランドセル
ぽえむ君

昨日の夜
ちゃんと確認すればよかった
空っぽのランドセル
学校に着いてから
気がついた
空っぽのランドセル

歩いている途中でも
軽いとわかっていたけれど
今日は体育の授業が多いから
こんなものだろうと
空っぽのランドセル

もうすぐ授業が始まる
どうしよう
空っぽのランドセル
ぼくの頭も空っぽだ

先生が入ってきた
ぼくは何もできない
ぼくは何も言えない
空っぽのランドセル

ただ椅子に座って
下をうつむく
空っぽのランドセル

いつも当たり前にあるものが
不思議に思えた
大切に思えた
空っぽのランドセル

結局
教科書は隣の女の子と
一緒に見ることになった
優しさよりも
迷惑さが伝わる
空っぽのランドセル

黒板に書かれた
青い空
空という字が
痛々しく見えた

空っぽのランドセル


自由詩 空っぽのランドセル Copyright ぽえむ君 2006-09-22 13:36:18
notebook Home 戻る