刹那の星
こしごえ
ほほを桜色に染めた
小町娘が夜道をすっすーと横切って
午前零時の散歩
映日果の葉に反射する
コウモリの声
超音波時計に刻まれた
わたしは悲しみに冷静でいたつもりだったけれど
死んだものをないたのか
わたしの無力をないたのか
星の夢に零れ(カエルの合唱と
共鳴している星星の青い果汁)て
しっとり立ちすくむ
ないている星の
行方不明の遠さに引かれ
さまよう微熱が
切断面を埋めてゆくと
来た道には帰れない痛みが
忘れていた歌声を一歩先へ とどける涙
暗闇へ浮かべた わたしの命が
波紋を生んで瞬いた